--/--/--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2010/01/19

『KUNATO ~二重殺の系譜~』 

『KUNATO ~二重殺の系譜~』

Author: 袋小路はまる様

★完結済み★

http://fukurokoji.sakura.ne.jp/02knt/f_knt_index.html

ジャンル:ミステリ ホラー   
要素  :伝奇 恐怖 神話 警察 アクション 

<ご紹介>
こちらもいつもお世話様の「小説の森」さんで見つけました。

記憶を失った少年。彼の父は惨殺され、自宅は火災により焼失しています。
若く美しい義理の母と妹は行方不明ですが、父を殺した犯人だとして捜索されています。

一見被害者であるこの少年と、事件の捜査をする警察。
主に二つの視点から、お話は展開していきます。

↓↓↓

桜舞う三重の春。
赴任地を去るおじさん…いえ、妙齢の青年の物思いが冒頭です。

しつこいですが、書き出しは大事だと思ってます。
こちらのお話も、冒頭からその世界にすとんと入り込めるような文章であります。
一人の男性がもの思いに耽る図という、動作としては非常に静的な場面ですが、文章はさらさらと流れ始めています。
もー美文です。とにかく骨太肉厚の美文です。
そしてこの場面、なんと終章なのです。

本編がどうやってこの終章に繋がるのか、読者は非常に興味を惹かれて次の章へと進むことでしょう。


記憶喪失の少年を中心に話は進んでいきます。
とにかく謎。謎だらけ。

何故少年は記憶を失ったのか。彼の父を殺したのは誰なのか。
記憶を失っているということは、少年自身が覚えていないけど犯人かもしれないってことです。
第一の容疑者であると警察に目され、目下行方不明中の美しい義理の母。可愛い妹。
彼女たちの行方も杳として知れません。

父の殺害とともに、自宅が焼失してしまったため、少年は東京にいる伯母の家に身を寄せています。
この伯母さんと従兄弟も、時折言動が怪しいです。
何か父の死について秘密を知っているのでしょうか。

そして少年が見る夢。
幼い頃に病死した母をその手で…。


少年自身の記憶や存在を含め、彼の背景や事件の真相はふかーい謎に包まれています。


ミステリとジャンル分けされているこのお話、登場する人物も皆どこか怪しげです。
家族を全て亡くしてしまった少年にとって、誰が味方で誰が敵なのか。
少年を預かってくれている伯母さんは、早く彼を熊野から東京に落ち着けたそうです。
その執着はちょっと怖いほど。
そしてなにやら胡散臭い従兄弟。
父の会社の部下だという、目つきの微妙なオッサン…これも怪しいです。
従兄弟と同じ大学で、少年の同級生の姉だという優しい女性。
そして行方不明の義理の母と妹。
誰を信じたらいいのでしょう~。

渦中で翻弄される少年と、彼と事件を外側から冷徹に観察する刑事。
巻き込まれ型ミステリと、警察小説風、二つの雰囲気が味わえます。

少年の家系と出生にまつわる出来事も、日本の創世神話を絡めて、徐々に明らかになっていきます。


熊野と東京、各地の舞台、事件を捜査する警察側などなど、描写はとても詳細で重々しいです。
単語ひとつ、表現ひとつとっても美しいです。
勢いではなく、言葉を選んで書かれているという印象を受けました。
ウェブ小説では、軽めの言葉・文体が好まれる傾向がありますので、こんな美文にはなかなかお目にかかれないですねー。
ストーリーテリングは、技術というよりも読み手と書き手のセンスがどれだけ合致するかってとこだと思いますが、私はこちら、特に中盤以降でぐいぐい引っ張られました。


ジャンルとしてはミステリとされていますが、ホラー、アクションの側面も持っています。
特に、謎がほどけかけてくる中盤、交錯して積み上げられる出来事の恐怖は圧巻です。

コメント

非公開コメント

RE: 拍手お返事 >Kさん

拍手、ありがとうございますー!

いやー…紹介文って難しいですねえ~(泣)
「いや、書きたいのはこんなことじゃなくー」っていう仕上がりになっちゃって、何度も書き直しました。
長い割にはどうでもいいこと書いてたりして…><
私自身が紀神神話の知識があれば、もう少し面白く書けたかもしれませんが…ううう。

あ、そういえば、その要素(どの?)については記載しませんでした…^^;
これも紹介文で迷うとこですが、記事を目にしていただいた方の興味を引くために、作中に含まれる要素はできるだけ提示したいのですが、ネタばれに通じることにもなるんですよね~。
私自身がネタばれ嫌いなんですが、あまり列挙されていないと、どんな話なのか今ひとつ分からないですし…難しいですね…。

読了予告編?

ホラーの文字でしり込みしているたすくです。

ただ、熊野って文字、紀神神話(紀伊神話?)のフレーズに激しく惹かれる三重県人。ううっ、恐怖を越えて読むことができるかっ!(読書感想文の予告なんぞやってどうする)

私って書くのは割と平気で怖いこと書けるのに、読むのはからっきしダメなんですよぉ。

RE: たすくさん

コメント、ありがとうございます♪

たすくさん、三重にお住まいですか!
私は紀伊半島に行った時、一度だけ訪れたのですが、いいところですよね。
熊野神社と那智の滝も行きましたが、印象深かったです。
慌しい旅行だったので、ゆっくり訪れたいな~なんて思いつつ、何年も経っちゃいましたが…。

書くのは大丈夫でも読むのはダメですか~。
ホラーとはいっても、どろどろホラーではなく、ミステリ・サスペンス形式ですので、よろしければぜひ~♪

すごく面白そうですね。これは私のツボにはまりまくりです。毎回ご紹介くださる作品すべて秀作揃いですね。さすがです。日頃かなりの作品を読破してらっしゃるようで、本当にすごい!次回も作品紹介、楽しみにしてま~す。
(あっ、1月13日の匿名は私です。)

Re:雨宮樹里亜さん

こんばんは~!
コメント、ありがとうございます♪
以前のコメントは樹里亜さんでしたか! うわわ~、気づかずにすみません…。

こちらも面白かったです~。
結構好みがうるさい…というか、オンライン小説主流の流れとは反する方向なので、なかなか好きな話に出会う機会は無いんですよねー。

読むのが遅いので、ペース遅いですが…><;

読んできました

読んできました。すっごくおもしろかった! メフィスト賞受賞作って言われても違和感ないくらいすごかったです。
久々におもしろい伝奇ミステリー読みました。
ほかの話も、まだ全部は読めてないけれど、おもしろいです。ブログの創作考も、こうやってミステリー作るのかと、とても参考になりました。
いいサイト様教えていただいてありがとうございます。
「山間の城の物語」の続きも待ってますね。
(レジーナさんが恋しい・・・)

Re: ももなさん

こんばんは♪

早速、ありがとうございます~!
感性は人それぞれですが、自分が面白いと思ったものを楽しんでいただけると、とても嬉しいです!

ウェブ小説では、なかなか本格ホラーやミステリーに出会えないので、貴重な一作ですよね。
私もまだ他のお話に取り掛かれていませんが、とにかく文章が上手な方なので、いずれ読んでみたいです~。
今後も、大人向けの面白そうなお話があれば、ご紹介してきたいと思います♪

「山間~」も読んでいただいてありがとうございます♪
今のとこ完全脇役のレジーナさんは、5話で出てくる予定です^^;
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。